人材育成コラム
2022.12.20 新入社員

新入社員研修の実践事例【応用・実践編】

新入社員に対し、社会人に必要な姿勢やルール、基本的なビジネススキルの習得を支援し、エンゲージメントを高め、スムーズな職場順応を促進するなど、さまざまな目的を持って実施されている新入社員研修。
今回は、そんな新入社員研修において、特に高い効果が見られた実践事例についてお伝えします。

年齢の近い先輩とのグループディスカッション


新たな環境に飛び込む新入社員は、さまざまな不安を抱えています。それを払拭するためにある企業で実施したのが、新入社員と年次が近い先輩社員とのグループディスカッションです。

この研修では、先輩社員に自らの新人時代の体験や現在、取り組んでいる仕事、そして、これからの目標などについて話してもらいました。「これからの自分」を重ね合わせることができる先輩の話に多くの新入社員が関心を示しましたが、さらに大きな効果をもたらしたのが、その後に行った新入社員から先輩への質疑応答です

新入社員が感じる不安の多くは、職場に関する知識や業務経験が不足しているため、先行きを見通すことができないことに起因しています。
この質疑応答においても、新入社員からは職場環境や業務のこと、上司との関係など、今まさに不安に感じている点についてのさまざまな質問が出ました。その質問対し、先輩社員が一つ一つ丁寧に答えたことが、新たな環境や業務に対する不安を払拭するきっかけになったようです。

配属先の先輩からメッセージ


新入社員が新たに始まる生活に期待感を持って臨むことができれば、職場にもより早く順応できます。研修の最後にはそれぞれの配属先の先輩から、新人一人ひとりに対してメッセージを送ってもらいました。

多くは「こんな仕事をしています」「上司はこんな人です」「同じチームにはこんな人がいます」といった簡単な内容でしたが、それぞれが感じている仕事の面白さややりがい、ともに働くメンバーへの思い、そして、新人に対する期待や思いやりも感じさせるメッセージに「感動した」「新しい職場に前向きなイメージを持つことができた」という感想が多く寄せられました。

新人を受け入れる側のための研修

次に、新入社員に対してではなく、彼らを受け入れる側の上司や先輩社員を対象に実施した研修の事例をお伝えします。

この企業では、迎え入れた新入社員を3年間で1人前のビジネスパーソンに育てるためのポイントをまとめた動画教材を作成しました。
組織への馴染ませ方からPDCAの実践法、主体的な行動につながる考え方やスキルまで、1年ごとに伝えていきたいテーマについての具体的な指導法をいつでも自由に学べる環境を整えました
また受講生は、3年間全てのテキストやワークシートをシステム上に管理したうえで、職場実践の結果も同時に管理していました。上司との1on1も、そのシステムで管理を行うことで3年間一気通貫の意図的、計画的な人材育成が実行されています。

また別の会社では、1年間に及ぶ研修の最後には、新入社員それぞれからアンケートをとり、指導にあたった先輩社員とレビューを行いました。
先輩社員にやってもらってうれしかった、もっとこんな研修やサポートがあればよかったなど、受講したメンバーの本音を指導した側がしっかりと受け取り、振り返りを行うサイクルを作ったことで、新入社員の受け入れ態勢は年を追うごとに改善されています。

採用担当者からは、新入社員の、特に主体性や順応のスピードなどの面で大きな向上が見られているという声があがっています。

まとめ

今回は、多くの企業様で実施した新入社員研修のなかから、とくに効果があったと思われる事例についていくつかをピックアップしてご紹介しました。

今回、ご紹介した取り組みをはじめ、様々な事例を参考に、また時代と共に変化している新入社員の価値観や期待、不安などを考慮、加味して、新入社員研修のあり方を検討し、毎年、アップデートしていくことで、会社と新入社員とが強く結びつき、事業と社員が共に成長していく好循環を作っていきましょう。

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