人材育成コラム
2022.11.02 行動習慣化

行動習慣化その1 学びの定着について

今回から3回にわたり「行動習慣化」をテーマに、研修での学びを行動につなげていくための具体的なコツやテクニックなどについてお伝えします。

初回は、学びの定着について改めて定義し、それを阻む具体的な要因などについて考えていきます。

学びの定着とは?


研修で学びを得ても、それをただ情報として「知っている」「覚えている」だけの状態に留めてしまっては意味がありません。
得た知識を実務で活用するための最初の一歩は、得た知識を自分のなかで消化すること。それによって従来の行動指針が変わり、それによって従来の行動指針が変わり、新たな行動を繰り返し行うことで、自然にその行動が行えることが本来の学びの目的です。

さらに、新しい行動に対して自分自身で振り返りを行いながら、さらなる気づきを得ることができるようになれば、それこそが学びが定着した状態といえるでしょう。

研修で目指すべきゴールとは?


学びの定着を目指して研修を行う場合、3つのステップを意識しながらそのそれぞれの学びをサポートしていくことが重要です。

ひとつめは「知識」の習得です。
研修で取り上げるテーマについて、その概念や具体的な事例などについて学ぶのが最初のステップ。原理原則の理解を促し、「知識」として習得していくことが、実際の職場で行動をする上での指針を育むことにつながります。

次のステップは実践のための「スキル」の習得です。
スキルと知識の違いは実行できるかどうか?にあります。実行するためには「具体的な行動に落とし込めるか?」が重要です。
例えば、ある研修で「傾聴」について学んだとします。その重要性を十分理解できたとしても、それを具体化が不足していると、「傾聴を意識しながらメンバーと話そう」といった、漠然とした目標しか設定することができません。「話を途中で遮らずに話を聴く」や「相槌をしながら聴く」といった具体化をする必要があります。 

そして最後のステップは「正しい態度」の習得です。
こちらも例を挙げると、「顧客第一」を実践するために「目先の利益よりも顧客のことを優先した判断をする」という心構えや態度を徹底するといったように、ビジネスにおける目的やテーマに応じた具体的な行動の指針をつくっていく必要があります

これら3つのステップを通じて、あるテーマに関して主体的に判断や行動し、成果に結びつけていける人材を育成することが、研修を通じて目指すべきゴールです。

学びの定着を阻害するものとは?


これについては、いくつかの理由が考えられます。

学びの定着のためには、得た知識を行動に結びびつけることが不可欠です。
しかし、実務のなかで学んだことを実践する機会がなく、新たな行動を起こせない場合、せっかくの学びも活用されないまま風化することになります。

さらに、学びを行動につなげるためには「阻害要因」を排除する必要もあります
例えば、「毎日2時間勉強する」という新たな行動を決めたら、一方でこれまでの行動から2時間分、何かを削る必要がありますが、それがうまくできないと行動の継続は難しくなります。

そのほか、行動はしたけれど、本人の理解不足や行動後の振り返りの機会を設けることができず、学びをうまく行動につなげることができないこともあります。

まとめ

学びの定着は、研修などで得た知識を具体的な行動につなげることで完成します。
しかし、そもそも行動する機会がない、知識を行動化するためのスキルが十分でないなどのさまざまな理由のために、せっかくの学びをうまく行動や実務に活かすことができないケースも見受けられます。

次回は、それら失敗を乗り越え、学びを定着させるための具体的な施策について解説します。

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