人材育成コラム
2022.12.07 リーダーシップ

なぜ組織にはリーダーシップが必要?

目標に向けてチームを前進させるために不可欠なリーダーシップ。
今回は、組織にリーダーシップが必要な理由を振り返り、リーダー育成に必要となる要素、そして、リーダーシップによってもたらされる効果について、詳しく見ていきます。

なぜリーダーシップが必要なのか?


ビジネスにおける組織は、1人では達成できない何らかの目的を果たすために存在します。裏を返せば、組織には必ず、達成するべき目的があるといえます。

その組織の目的をどのように果たしていくかを明確なビジョンで示し、組織内のメンバーの共感や意欲を喚起する対人影響力のことを、リーダーシップと呼びます。

こうしたリーダーシップは、組織に所属するメンバー一人ひとりをつなぐ、いわば「接着剤」のような役割を果たすもの。
これがあってはじめて、組織は同じ方向に結集された力を発揮することができます。

リーダーの育成はなぜ難しい?

一般的に、研修によってリーダーシップを育成することは難しいといわれます。

その理由として最初に考えられるのが、受容の難しさです。
人に対して影響力を発揮するためには、自分が他者からどのように見られているかを正しく把握する「自己認識力」が欠かせません。
しかし、リーダーの立場にいる人が、部下からの評価をそのまま受け入れるのは簡単なことではありません。とくに成果を上げてきた成功体験がある上司にとっては、「自分は正しい方法を知っているのだから、部下の方が間違っている」という反応をとりがちです。

次に、会社やチーム、個人によってイメージするリーダー像が異なることも、リーダーシップ習得を困難にしている要因のひとつです。明確で統一的なリーダー像が定めにくい分、育成上の具体的なゴールを設定しづらい職場も少なくありません。

さらに、どんな使命や目的を持った組織であるかによって必要なリーダーシップのあり方は変わるという認識を十分に持てないことで、自分たちの職場に適したリーダーシップのタイプを定義し切れないことが多いのも、リーダーの育成が難しいといわれる要因のひとつです。

リーダーシップ習得に必要なものは?

では、組織に適したリーダーシップを育成するためには、どのような方法をとると良いのでしょうか。

非常に有効な手段として是非、トライして欲しいのは、リーダー自身がやるべきことを考え、実際に職場で試しながら振り返って分析し、次の改善につなげる道筋、サイクルを作ることです。

リーダー自身に組織の目的、そして自分の目指したい組織のあり方を確認してもらい、そこに近づくための施策を実行させるのが最初のステップです。

ここで重要なのは、その施策がうまくいくかどうかではなく、リーダー自身が振り返りを行い、次につなげていくことです。リーダーが部下に対するアプローチの方法を変えたことで、部下からネガティブな反応が出ることも珍しくありません。
しかし、リーダーとしての成長を支援するためには、上手くいかない経験をしっかりと受け入れ、PDCAを回しながら「どうすれば伝わるのか」、「どうすれば影響力を発揮できるのか」をつかんでいけるようにすること、つまり、経験を学びにし、学びを成長に繋げるサポートすることが大切です。

その意味でも、部下や先輩リーダーたちの反応や評価は効果的なリーダーシップを身に付けるために重要なものです。リーダー自身が積極的に部下の意見を聞き、良いフィードバックも悪いフィードバックも受け入れて分析した上で、必要な行動修正を促すことが、遠回りのようで、最も確実なリーダー育成の方法といえるでしょう。

リーダーシップの効果は?

リーダーシップがしっかりと発揮されているチームにはいくつかの特徴がみられます。
そのひとつは、メンバーそれぞれが達成すべき目標をきちんと認識できていることです。目指すべきものが明確になるだけで、目標の達成や売り上げの向上といった成果につながったというケースは少なくありません。

特徴のふたつめは、メンバー個々人の主体的な行動が目立つことです。リーダーが、部下と良質な関わりを持ち、信頼関係を構築することで、チームや部下の心理的安全性が担保され、その結果として、メンバー間の会話や部下からの提案が増えたり、リーダーの思いが伝播して、メンバーの姿勢がより能動的になることも、リーダーシップがもたらす重要な効果といえるでしょう。

まとめ

組織が継続して成果を出し続けるために欠かせないリーダーシップですが、その習得にはさまざまな壁が存在します。それらを突破し、チームの力を最大化できるリーダーを育成するためには、リーダー自身が実践と振り返りを重ねていく経験が欠かせません。

リーダーを育てるという立場においては、そのための環境を整え、さまざまな経験からリーダー自身がチームにとって最適なリーダーシップをつかみ取れるようサポートすることが大切です。

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